折り折りて

/ 2018/08/24 /

小津夜景さんにおみやげ及び『かもめの日の読書』刊行お祝いとしてペパニカを贈った。
実は気に入って、じぶんの分も買ってしまっていた。
厚紙シートを切り離して組み立てるものなので、キットの状態ではA4の紙2枚、ノートぐらいの容量だ。
旅装にもかさばらなくてよかろう、などと思いはしたが、好奇心に負けて、ひとつ自分の分を組み立ててみよう、と思い立った。

思い立ってよかったような気がする。作るのが存外に難しかったのだ。
伸縮する蛇腹部分は1枚の紙で出来ている。
山折りと谷折りをほどこした紙を、根性で曲げると四角い筒になる。
カメラのベローズを作っている家の者からはあっさり「ああ、折り方があるよね」と言われてしまう。
そういえば、高度な折り紙でらせんなど折っている人達は数学者だったりしたな、などととりとめのないことを思い出す。

結局夜景さんには完成品を手渡した。ニースの空のもと、明るい「ソ」の音が鳴り響くといい。



数日後、もうひとつのキットを組み立てた。
今度こそ自分のぶんだ。
さきの経験が活きて、半分ぐらいの時間でできてしまった。
慣れってすばらしくおそろしい。
鳴らしたら猫が変な顔でこっちを見た。



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