チョコレート短歌

/ 2010/02/15 /
あいかわらず不馴れなツイッターではあるがハッシュタグを利用した短歌拾いが色々あっておずおずと参加したり眺めたりしている。
バレンタインにかこつけてチョコレート短歌を拾ってみた。2月14日までにつぶやかれたのが以下の歌群。
言い出しておいてナンだがこんなにあると思ってなかった。チョコレートは意外に歌材として馴染みがあるようだ。
現在も「#yukitanka」「#usagitanka」などが流れている。
#chocotankaつぶやいてくださった皆様多謝です。

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「汝クロウサギにコインチョコレットを与ふる勿れ」と兎は云えり   穂村弘

チョコレート! きみも一緒に聞いてくれ 「好きだ」以上の言葉を探せ   梅本直志

男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす   俵万智

チョコアイスのバーを振りつつ話し合う さらさらの風ばかりからまる   安藤美保

花豆はトリュフコートに新しき味を開きてみづからを閉づ   松崎英司
  
ミントチョコ舌にひろがるひややかさ父のなくした夢をしらずに   江戸雪
   
チョコレートのぎんがみも冬のにほひして午前0時はランプの時間   小島ゆかり
   
片頬をすとおぶに染め待っているヤマネ印のちよこれいとう   東直子
ぎんがみを解けばかすかに霧立ちて角(かど)やはらかきチョコレート出づ   小島ゆかり

チョコレートに苺を混ずる実験を夜繰り返す妹が欲し   大津仁昭

逝く春を森永ミルクチョコレート箱が落ちてる 泣いているのだ   岡部桂一郎

チョコレートの肌くもりつつ はるかなる夜霧の町を貨車は行くべし   小島ゆかり

チョコレートのぎんがみありき雪山で死にたる友の遺品の中に   小島ゆかり

雪の上駆けゆく子らの長ぐつがマーブルチョコのようで ふるさと   俵万智

奪われてみたいと思うチョコレート細工にこの身がつくられたなら   野口あや子

どなたにもさよならを言ふは怖ろしくチョコレートのやうに魂を割る   辰巳泰子

なにかまたよからぬものの燃えあがるにほひのなかにはむ楂古聿(チョコレート)   岡井隆

わがこころまずしかるべしコロンバンのチョコレートや春やにおやかなれど   村木道彦

誤解したふりして海に誘うのも、にがめのチョコが充ちてゆくのも   加藤治郎

けふは少し老けてゐたまふチョコバーをいたく好める乾隆帝似   紀野恵

レディ・ゴディバのハート一片口中にとけゆくほどの恋心かな   岡井隆

幾年も味わうなかりしチョコレートも投げられれば分ちて食う   吉田漱

チョコレートひと口噛めば恋の味ふた口妻の味とこそ知れ   岩田正

ショコラ呉るるひとみな幸(さき)くいませとぞ祈り口中にサタンを招く   水原紫苑

時がしづかにふりゆくさまをききながらショコラ細工の冬森にゐる   山崎郁子

ミルクチョコレートの色の濁流に佇むひとが見えた 車窓に   魚村晋太郎

ペコちゃんのパラソルチョコが好きだったおそらくあれが初めての傘   樋口智子

階段をち、よ、こ、れ、い、と と降(くだ)りつつわたしはふかい夢をみていた   冨樫由美子

もたれ合うことなく生きる人々に甘えられ賑わうショコラティエ   中沢直人

チョコレートケーキに誤魔化さるるほどの土曜の迷ひならましかば、だ!   紀野恵

やわらかき板チョコに指紋のこしてそしてどっちかがしねばいい   飯田有子

冬のショコラはつばさのかたち輪郭を失いながら口から口へ   ひぐらしひなつ

食べたくもないチョコアイス食べている 起きてなくてもいい真夜中に   佐藤真由美

からからとマーブルチョコはちらばって風邪ひきの日の夢のあかるさ   本田瑞穂

子の産みしおみなご育ち冬ざれのわれの机にチョコレート置く   上野久雄

セックスのおとずれというはつね俄か にがきかおりのチョコレート噛み   村木道彦

一枚のショコラで十日は生きむとぞそんな十日の得がたきものを   今野寿美

われは全く一人であるよ人急ぐ師走の卓にショコラ冷まして   川本千栄
 
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