電子書籍プラットフォーム比較(パブー/インテル編)

/ 2010/10/15 /
そんなわけで、ブラウザ上でちくちくやって電子書籍を作ったその使い勝手などを比較してみました。

【ページビュー編】
・文章の縦書き入力・表示 インテル○ パブー×
  インテルでは最初に本のレイアウトを選択する。
  絵本用、小説用など、ジャンルに向いたテンプレートがある。
  縦書きのものを選択すれば入力可能。
  パブーは横書きのみ(2010年10月現在)
  どちらも画像として貼付け表示させることは可能。

・ブラウザ上でのページの見開き表示 インテル○ パブー×
  インテルはフラッシュプレイヤーを使用したとおぼしき表示で、
  本のページをめくるような挙動をする。実際の操作は左右にあるボタン
  をクリック。
  パブーはブログ様のレイアウト。左サイドバーからページを選択すれば
  単ページ表示、初期表示は5ページまで縦にページが並ぶ。

・ページ間のショートカットが可能 インテル△ パブー○
  パブーはサイドバーにページへのリンクが表示される。
  インテルでは目次に戻る、前後のページに戻る、はできるが
  好きなページに一気に飛ぶことは不可

・表紙の画像を自由に選べる インテル△ パブー○
  インテルでは表紙用の壁紙的なものが用意されている。
  自前の画像も使用できるが、表示用にトリミングされる。
  表示用の推奨サイズなどは不明。また署名・著者名が
  強制的に決められた位置に入り、表示枠が白くなる。
  パブーはjpg、pngなどの画像を指定できる。
  ページ全画面表示用推奨サイズあり。

・ダウンロードして閲覧が可能 インテル× パブー○
  パブーはPDF、ePubをダウンロードして読ませることができる。
  ブラウザ閲覧のみを希望する場合はこれらファイルを作らない設定も
  可能。PDFは左右開き、ページの余白設定ができる。

・しおり機能がある インテル○ パブー○


【制作編】
・文字のリサイズ、色替え、レイアウト インテル△ パブー○
  インテルでは色替え、太字(強調)はできるがサイズ変更やセンタリ
  ング、左右揃えはできない。
  パブーではフォント指定も可能(書体に制限あり)。
  パブーの入力画面は「ブログのかんたん入力画面」っぽい。

・画像の大きさ、表示位置を自由に変えられる インテル× パブー○
  インテルでは画像の位置を行移動できる場合はある。自由なリサイズ
  は不可。
  
・文章の縦書きと横書きが混在可能 インテル× パブー×
  どちらも「画像として編集したものを貼付ける」ことはできるが。

・ページ内に画像と文章の混在可能 インテル△ パブー○
  インテルは画像内にキャプションを入れる機能がある。
  画像と同行に文章を挿入することはできない。
  段組みレイアウトの場合、文字と並列して表示させることができる。
  パブーでは画像挿入時に回り込み設定などもできる。

・ページ編集機能
  インテル…章を設定しておいた場合、章ごとの削除は可能。
       ページ削除は不可。ページ内要素がなくなったページ
       は前に詰まっていくが、画像は追い込まれない。
  パブー……ページごとの削除、編集が可能。
       長文はページごとの編集になるため、修正もページ
       ごとに行うことになる。HTML編集が可能。

「インテルあなたを作家にするプロジェクト」はあくまでも作家を発掘するためのイベント的なものだなあと思った。ページ編集の使い勝手がしんどい。画像を削除してページが縮まっても、前倒しになるのはテキストだけで、画像はもとのページに残ってしまった。1ページずつ画像をずらすのはたいへんな手間である。ひいひい。
 しかし本を開いてるっぽい画面表示はかわいい。フォントが選べないしジャギって見えるのが気になるが、縦書き表示にさせてるのはある意味すごいと思う。
 それから閲覧サイトの重さ、操作性が今いちなのもちょっと残念です。
パブーはHTMLがいじれたり、PDFを生成できたり、値段をつけて販売できたり、といろいろできておもしろいのだが、表示がブログっぽいのがいかんともしがたい。早いとこデータインポートができるようになってほしい。そしたらePub読み込んで、もっとすいすい編集ができる。それから長文もページごとで作成・保存しなければならないのも少々手間です。本というよりページの集積、といった感じで、エッセイや旅行記、レシピ、写真集などに向いたプラットフォームかもしれませんねいまのところ。

作り方について主にかき集めてみましたが、読ませることを考えると、これらプラットフォームが書籍出版と同等、またはそれらをおびやかす、というようなものではないんじゃないでしょうか、少なくとも2010年秋現在。
既刊の作品を閲覧していると、この限られた機能を用いてここまでできるのか、とむしろ感心してしまいます。
機能自体もどんどん追加、改善されていってるようですし、もうちょっといじくってみようと思います。

電子書籍は何するものぞ

/ 2010/10/14 /
以前、歌誌「かばん」の「歌集というフェティッシュ」特集で電子書籍について触れたことがあった。
すごく推奨しているとわけではなく、その頃はまだ対岸の火事でしかない印象が強かった電子書籍というやつは、そんなこともないですよ、視野に入れてきましょうよ、という意味合いで書いたのだった。

最近になって個人がウェブ上で制作・販売・閲覧させることができるプラットフォームなんてのもあって、おためしに猫ばかを発揮して写真集など作ってみました。
ご興味お持ちいただけましたら文末のリンクから見てやってください。

使用したのはインテルがやってる「あなたを作家にするプロジェクト」の「インテル書斎」と、ブクログの「パブー」。
それぞれに操作性や仕上がりの特徴がある。違いに関しては次のエントリにまとめます。
それにしても、ここを読んだりしてみると、流通している電子書籍の現状がわかってきて、うーん、書籍?と思うことしきりである。
デバイスが限られているとか表示の問題とか、データの出し入れの問題とか読むに耐えるものができるのかとか(ルビやレイアウトを紙と同じように見せるのは現状無理といっていいのでは?)
いろいろありますが、とりあえず何ができるのか、手を動かしながら考えてみたいと思うのです。

インテル版「眠り猫」はこちら

パブー版「眠り猫」はこちら↓

Instagram

 
Copyright © 2010 無頼派への道(仮), All rights reserved
Design by DZignine. Powered by Blogger