滲み出す熱・天道なお「NR」寸感

/ 2014/01/12 /
天道なおさん「NR」は皮膚感覚が印象的な一冊だった。集中、雨に打たれる歌や「脱ぐ」歌、風を浴びる歌などがぱらぱら目につく。言葉の選び方、叙述に硬質な感触があって、きりっとした人物像が浮かぶ。仕事の歌にしろ、うまくゆかないことをうたいつつ、歌としてのその処理はクールである。

  歳月が彫りし容貌(かお)なり地下鉄の車窓にぼうと映るわたくし/天道なお『NR』

家族のことがうたわれる時、ちょっとどぎまぎさせられるような、規範をはみだした熱のかたまりが顔をのぞかせることがある。

  姉であることを忘れるウエハースひとひら唇に運んでもらう間/天道なお『NR』
  逆光で見えない母の顔が言う軽蔑なさいすべての夏を/天道なお『NR』

一人称が「わたくし」であり、文語が混在し、クールな抑制のきいた状況把握があり…そんな硬質な型のなかに、ほんとうはものすごく熱いものがかくされているんじゃないか、という予感がする。

  行儀よくビル立ち並び刃をあてたなら美しいはずの断面/天道なお『NR』

完全口語の天道なお、というのも見てみたい気がする。以下は好きな歌です。

  緋の河にゆめは流れて対岸に届こうとする右手が燃える/天道なお『NR』
  次の店向かう群より羊雲ひとつ分だけ離れて歩く/天道なお『NR』
  発熱の指もて橋が架けられる一人娘のひとり遊びに/天道なお『NR』

※引用歌のパーレン内はルビ 

某月某日点取り日記

/ 2013/05/12 /
某月某日
あしかがフラワーパーク遠征。
「世界が息を飲む」という藤棚を見るのが目的だ。
一応サイトをチェックして行ったにも関わらず、場内至るところに藤があって驚く。
チューリップやら躑躅やらルピナスやらポピーやらラナンキュラスやら…
花だらけを満喫だ。80点。

某月某日
iPadminiを購入。
電子書籍の閲覧が楽々だ。
iPadminiの大きさって四六判の本とほぼ同じぐらいなので、本を読んでる感触として丁度いい。
radikoが対応してなくてガッカリだが今んところそれなり満足だ。
(一応アプリは入ったが動かなくなった。サイズがiPhoneのままで笑った)
あとMacから直接充電できないのもガッカリだけどしょうがない。60点。

某月某日
豪徳寺で招福猫児(まねぎねこ)拝観。
写真を撮ってたら近所の方に話しかけられた。
奉納場所が今年に入って拡張したらしい。招き猫びっしりだ。
豆サイズと2号サイズをいただいて帰る。90点。

某月某日
近所に改装をはじめた一軒家現る。
お店ができるのかな!とワクワクしていたところ、学習塾になった。
20点。

某月某日
古書市で阿部完市「しら帆百」ゲット。
函はちょい汚れがちだけど中はだいぶ綺麗。48/150のシリアル入り。

  ぽー地方の草葉はなやぎそこにすむ 完市

馬場あき子選、なかなか楽しい。85点。

某月某日
家の前で猫のマジ喧嘩発生。
時々もめてるのは聞こえていたが、今回は毛が飛び散るような勢い。
街灯に照らされながらもつれあう二匹が、アスファルトにぶつかる「ゴツッ」という音が室内に聞こえる。
少ししたら隣家のご主人が懐中電灯を持って追っ払っていた。
決着はついたのか不明。45点。

ユーハイムの食べ比べ

/ 2013/02/07 /


私、バウムクーヘンが丸くない国へ行きたい(公正を期して分けられるから。ほんとは分けたくない)ぐらいにバウムクーヘンが好きなんですが。

以前からびみょうに思っていたユーハイムとカールユーハイムのバウムクーヘンは違うのか?という疑問を解決すべく、食べ比べてみました。対象商品はデパ地下で一個から買える、「気軽にお楽しみ頂けるサイズにカットした」個包装のもの。



左が「KARL JUCHHEIM」のバウムクーヘンシャイベン。右が「ユーハイム」のバウムクーヘン。
大きさと外観上は大きな違いは見当たらず。



袋から取り出したところ。右のほうが若干巻きがはっきり視認できる。左のほうが全体的に卵色が強い…ような気がする。



断面と外側のホワイトチョコレートコーチングのアップ。
右のもののほうがこころもち断面がシャープで弾力がありそう。

いただいてみると…食感は左側、「カールユーハイム」のほうがもちもち感が若干高め。右側の本家「ユーハイム」のものは、ちぎるときもねばるような抵抗感が少なく、もっさりした噛みごたえ。
外側のコーチングは右のほうが普通に甘く、左は甘さが少し控えめかなあという感じ。

袋の裏側の原材料を見ると、多少の配列の違いはありますがほぼ同じ材料が使われている模様。唯一片方にあって片方に使用されていないのは「マジパン」。
マジパンとは挽いたアーモンドと砂糖を練り合わせたペーストのことらしい。入っているのは左で、右には使用されていない。
不思議なもっちり感はマジパンのせいなのか。

どちらもたいへんおいしくいただきました。
好みはどっちかっていうとカールユーハイムのほうかなと思いましたが、街歩きでの遭遇率があまり高くないのが難といえば難。

ついでにスペツィエルショコバウムも買ってきたことは内緒の話。

三社参り+α

/ 2012/12/30 /
12月最初の土日、名古屋—大阪を訪れた。
1)住吉大社の初辰まいりで招福猫をいただきたい
2)うまいもんを喰いたい
3)「紙の温度」に行きたい
という欲望を組み合わせたところ、三つの寺社仏閣をまわることになった。

「紙の温度」とは名古屋熱田区にある、国内外の手漉き和紙をメインに取り扱っている紙のお店。オンライン通販も行っていて、豆本、手製本の資材を求めお世話になったことがある。
輸入紙も豊富に取りそろえていて、これはぜひ一度行って選び放題選びたいものじゃ…と思っていた。

で、その「紙の温度」さんのある名古屋市熱田区神宮には熱田神宮がある。
広大な敷地の宮は草薙神剣が御鎮座ましましていらっしゃるのだとか。
銀杏落葉の敷き詰められた境内をぐるりと巡り、「紙の温度」へ。
同行した家の者にはあらかじめ「時間がかかるよ」と言っておいたが、案外早く紙物色が終わる(2時間ぐらいはかかりましたが…)。
店内の裁断機をお借りして(そういうコーナーがある)、紙を運びやすいサイズに切りまくる。

「紙の温度」から徒歩5分ほどの「あつた蓬莱軒」本店へ向かう。
実は熱田神宮のすぐそば、紙の温度の裏手に「あつた蓬莱軒 神宮前店」というのがあるのです。紙に血迷っていた私はそこで手早く食事をしようと思っていたら、予定が前倒しになったのでどうせなら、と本店に行くことにした。
開店前の行列に並ぶこと15分ほど。二階に通され熱田神宮の御神酒でもあるという「草薙」を冷やで、白焼きをつまみにちびりちびりやる。

ひつまぶしは「一半」を注文。おいしゅうございました。
その後新幹線で一路大阪へ。

翌日は朝、宿泊先近くの大阪天満宮へ。
門の近くで写真を撮っていたら、通りすがりにお宮に頭をさげていくひとを何人も見かけた。
お参りしている人も荷物のほとんどない、ご近所の方かしら…という感じのひとが多い。
なんだか生活の中の宮、という感じで、これまで観光がてら訪れたお寺や神社とは違った感慨があった。

その後地下鉄に乗った後阪堺電鉄で住吉大社まで移動。
私も家の者も路面電車好きなので興奮する。
住吉大社ではまずは本宮を順番にお参り、いよいよお目当てのはったつさんへ。
システムがわからず宮司さんにいろいろ教えてもらう。

はったつさんは正式には月参りのものであるとここで初めて知る。
猫欲しさに来たとは言えず、とにかく教えられたルートに従って宮をまわる。
月々招福猫を集め(奇数月は左手、偶数月は右手を挙げた猫なのだ)、数を揃えておおきな猫に替えてもらうこともできるのだそうだ。なんという魅惑的な話。
とりあえず今月の右手を挙げた「商売繁盛」猫さんと、ふた猫さんが乗り合わせた「宝船土鈴」をいただいて帰る。
お礼参りにまた来よう、奇数月に。

10月-11月某日日記

/ 2012/11/30 /

10月7日
浅草橋の東京卸商センターにて豆本フェスタ3に出展。
手売りで直売のイベントに参加するのは5年ぶりほど。
※お手伝いとして団体イベントに行ったりはしてましたが。
今回は100ブースあるという。しかも、作家さん同士が共同出店しているブースもあるという。えええ何人いるのこの会場、という様相。
開場待ちのそこそこ長い列を横目に会場入り。
千客万来にて無事終了。あれこれ売り切れてしまって後半はナニでしたが楽しく過ごしました。
帰り際、会場から間近なスカイツリーを眺める。



10月某日
大江千里氏のジャズピアニストデビュー凱旋ライヴのためブルーノート東京へ。
なにを隠そう、生まれて初めて行ったライヴが彼の仙台公演だったというながーいファンでありまして。サイドボックスでもりもりご飯を食し、演奏を楽しんだ。
アルバム「boys mature slow」の曲てんこ盛り。付き合ってもらった家の者はトランペットの彼に注目してたようです。いい夜でした。

10月某日
豆本フェスタの余韻をにれがむ間もなく11月のニヒル牛2企画展「不思議な本展」の準備にいそしむ。ひとつひとつにえらい時間がかかってしまう→点数が減る→一点あたりの制作数が減る、というデフレスパイラル的な羽目に陥っているのは先月末(※豆本フェスタ3準備期間)もそうだったような気がするがどうしたらいいのかこれは。

10月某日
某日というか14日、週刊俳句に「愉快な人」10句掲載さるる。
同時掲載の手銭誠さんの10句から。

秋真昼沼に沈める銀の斧   手銭誠
旧道に運動会のあふれ出す
秋晴やカレーライスに刺さる匙

「銀の斧」の句でいいジャイアン、悪いジャイアン、普通のジャイアンを思い出してしまったことを謹んで告白しておきたい。
運動会のあふれ出す、はなんか、ささやかな町で行われる運動会の様子が浮かぶ。マンモス校でも別にいいのですが。
カレーライスに刺さる匙、は語呂のよさ、リズムの感じがカレーに匙を刺す勢いそのままのようで小気味よい佳句である。つきたて箸は無法かもしれないが匙はカレーに刺すものだ。

10月某日
会社の近くで同僚と飲む。もつ焼きとキンミヤの緑茶割り。
いろいろと黒い話を聞いたのに胃もたれしないのは彼女たちの人柄のせいかもしれない。うっかり長酒してあわてて帰る。

11月某日
西荻窪・ニヒル牛2にて「不思議な本展」開始。
搬入の日、カッティングマシン・クラフトロボがさっぱりうまく使えない!という話で盛り上がる。
今回の展示は個性的でハイクオリティな8名とご一緒させていただき、とても楽しくて刺激的でした。DMの制作も担当して、こちらも好評だったようで一安心。

11月某日
引っ越す。
引っ越しの多い人生で…とどこかに書いた気がするが、これで何度目かもうあやふやになってきた(17回目ぐらい…なはず)。
段ボールを請求したらそれじゃぜんぜん足りませんよ、と引っ越し業者さんに軽く言われ、希望数の倍ぐらいもらう。全部使い果たし、足りず、引っ越し当日の朝、近所のスーパーからさつまいもの箱をもらってくる(ご自由にどうぞ、と置いてあるやつがあるのだ)。
午後からの日程だったせいなのか、たまたま近隣に人がたくさんいたのか、次々と引っ越し屋の応援が駆けつけ、一時総勢8名になった。
なんだかチームプレイのスポーツみたいな雰囲気に。雨が降ったり止んだりの天候だったけれど夕刻に無事終了。さすがに暗い。しかし颯爽と帰っていくボーイズ。引っ越しのたびにボーイズに惚れそうになってしまう。

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